自由を求めて、世界を周る

自由に生きていくためのBlog -自由って案外大変-

度重なる失敗を乗り越えて、自由を手に入れるまでの話

チャンスは幸運と同じでサイクルだ。

ただし、普通には手の届かない距離をぐるぐる周っている。掴むためにはタイミング良く手を伸ばすしかない。

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前回のエントリーの続き(最終話)です。


離婚して全てを失った私が資本金1億円の会社をつくるまでの軌跡 - 自由を求めて、世界を周る

会社の終焉

会社にとって株主構成は、生命線だ。
特に社員が居なくなった会社は、単なる金融商品となり、役員と株主の間で様々な駆け引きが繰り返される。

私は会社の役員1名と株主1名に振り回されて、解散まで地獄のような日々を過ごさざるおえなくなった。夜思わず発狂しそうになったり、シャンプーすると大量の髪が抜けていたり、血尿になったりと、そんな状態が会社の清算が完了するまで続いた。

それでも何とか対処できたのは、今までにもっと大変な状況を経験していたからだ。神様は、私の敵なのか味方なのか、理解し難い。

新たな出発

会社の残務や清算処理は私の収入にはならない。その為、私は空いた時間を使って収入を得る必要があった。
私が唯一幸運だったのは、独立したことにより業界に知人が沢山でき、また評価してくれる人達がいたことだ。
会社や事業の再生案件の問合せや相談が舞い込んでくるようになった。そのほとんどが資金繰りに起因するものだ。ITベンチャーの経営者は専門職上がりのため資金繰りが苦手な人が多かった。

数ヶ月もすると、仕事にも慣れて、案件も幾つかのパターンに分けられるようになってくる。そこまでいくと不意に考えてしまうのだ。

もっと何とかならないかと。。。

このままでも生活していくことに支障はない。それどころか、サラリーマン時代よりも収入は増えているので、私の独立は全くの失敗ではなかったようだ。
しかしながら、これだけ悩んでいる人がいて、その相談が来て、私が対応できるとなると、これはチャンスではないのだろうか??

では、そのチャンスは一体どこに隠れているのだろうか。

チャンスをつかめ!

そんな時期に、私はある会社を紹介された。業界の変化に追いつけず資金繰りにあえいでいた専門学校だ。
私は、その会社のガンになっている事業を自分が新設する会社で引き継ぐことにした。

 

従業員5名と資金ショートした事業が、私に再起のチャンスを与えてくれた。
設立当初から半年はずっと資金繰りとの戦いだった。銀行や取引先とのファイナンスで何とか乗り切って、事業は次第に軌道に乗っていった。
長引くデフレの影響で、専門学校や教育業界は大きな転換期をむかえていた。そして、そのタイミングで始めた事業が、業界の変化を先取りし、会社に大きな利益をもたらすことになったのだ。

 

私はついていた!でも、喜べない。少し前の会社を解散した時の記憶が私を不安にさせていた。
ここから先は組織運営や人間関係の問題に直面するだろう。その時に備えて、私にとっての最善策を考える必要があった。

チャンスの次は、挑戦

私は、会社を元のメンバーに売却し、一人になることを決めた。

一人になって、ここで確立した事業を、やり方を変えてスケールさせようと考えた。
私は事業の仕組みを作るのが得意だ。一人になった私の新会社は、新たなスキームで更に多くの利益をもたらしてくれた。

計画通りどころか、恐ろしいほど良い結果となったのだ。

 

一人で事業を進めていくということは、自分の出来ること、やるべきことを決めるのではなく、自分がやらないことを決める必要がある。決断したり選択したりすることは、何をやるかではなく、何をやらないかだ。
そして、必要な会社と必要な役割で協業することにより、そこにははっきりとした契約関係が存在することになる。それがビジネスにとって健全で、その結果、私は自分の利益よりも顧客の利益を最優先していくことができる。
それが新たな利益に結びついていく。ビルゲイツの言う、良いサイクルの始まりだった。

そして、現在

あれから4年半、私は事業の利益を再投資することにより更に大きな利益を得ることになった。やっと自分が思うようなライフスタイルに手が届くところまで辿り着いた。

 

海外旅行も行ったことがない田舎の青年が渡米してから25年、

NYで私に最も影響を与えてくれた親友と出会ってから22年、

父親の会社が倒産して逃げるようにスペインに行った時から約20年、

ロサンゼルスで再起して、結婚して、離婚してから約10年がたっていた。

 

これからは、私の新たな旅の始まりになる。
私は、昔ロサンゼルスでやったのと同じように徐々に事業から投資にシフトしていき、現在は事業ではなく旅行に夢中になっている。

 

何も知らない街を一人で歩いていると、何だか自由を手に入れた気持ちになる。

自由を求めて、世界を周る」それが、今の私の生き方となっている。

 

最後に

人類は、多くの困難を乗り越えて、現在の繁栄にたどり着いた。繁栄は常にリスクと隣り合わせだ。
私にも、今後新たな困難が待ち受けていると思う。それは投資の失敗かもしれないし、健康や精神的な問題、家族の問題かもしれない。生きていくのは大変なことばかりだ。しかしながら、時々訪れる少しの喜びのために前を向いて歩み続けるのだ。
路の途中で振り返ると、そこに見える景色はいつも美しい。過去は常に美しい記憶となって私の今を支えてくれている。
それがあるから、みんな生きていけるのではないだろうか。

 

 路の先にある僅かな希望と、振り返った先にある美しい記憶、その二つに挟まれて私は歩き続ける。

 

(完)

ご拝読頂き、有難うございました。

 

【補足】旅の途中の私です↓


人生の分岐点で再びのスペイン(出会ったあの頃と同じ位置にいる) - 自由を求めて、世界を周る