自由を求めて、世界を周る

自由に生きていくためのBlog -自由って案外大変-

道 【TAO】

 

Nightlife

 

アメリカの田舎町に思い出の道がある。
両脇を綺麗な芝生と背の揃った樹木で囲われた坂道だ。
その先には、どこまでも続く青い空に白い雲、その道を登りきると真っ青の湖に太陽の光が反射して輝いている。

僕が18歳の時に、初めての飛行機で、初めての海外で、そして初めての朝に歩いた道だ。その日から毎日僕はその道を通って学校へ行き、寮に帰宅して、一度だけ素敵な女性と一緒に歩いた。
あの日が僕の青春で、あの日が僕の本当の人生の始まりだった。当時の僕は、自分の新たな人生がこの道から始まって、そして、いつの日か人生最後の日にこの道に立っていると信じていた。

あれから25年以上経って、僕は、昨年、またあの場所に舞い戻って、昔と何も変わらないあの道を歩いた。
坂道の一番上に立って、当時の記憶を呼び戻して、自然と涙が溢れてきて、初めて25年の月日が経ったことに気が付いた。それまでの僕は自分が年を重ねていく実感がなかった。

一つだけ違っていたのは、そこに立っていた僕は人生の最後ではなく、まだまだ人生の途中だったということだ。
よく分からないが、きっと、18歳から何かを求めて生きてきた僕の人生に一区切りがついたのだと思う。

そんなに順調な人生ではなかったが、でも、生まれ変わったらまた同じ人生を歩みたい。
その為にも、あの道に戻って、あの日に帰って、また新たなスタートを切ろうと決めた。僕の第二の人生も幸か不幸か、またあの道から始まるみたいだ。

人生には、絶対に忘れられない景色がある。
それが僕にとってのあの道だ。
自分の人生が凝縮されて映画のスローモーションのように再生される、あの坂道の頂上が僕の人生の原点だ。

当時の僕と違って、今は白髪交じりの中年になってしまったが、最近新しい出会いがあって、偶然新しい価値観に気付いたり、自分の人生をもう一度考え直す機会に恵まれたりと、中年になってもまだまだ学ぶことや価値観を変えることができるみたいだ。だとすると僕の第二の人生は、より豊かなものにかるかもしれない。

そんな風に考えながら2017年の新年を迎え、久しぶりにこのブログを書いています。

 

新年明けましておめでとうございます。