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自由を求めて、世界を周る

自由に生きていくためのBlog -自由って案外大変-

26年間会っていないあなたへの手紙(あなたに伝えたいこと)

 

 

前略 M 様

 

お元気ですか?

僕は今、投資家をしながら自由に世界中を旅行しています。あなたと最後に会ってから26年が経ち、田舎者で子供だった僕は幾分か大人になって、何億円ものお金と自由な時間を手にしました。

26年前には考えられなかったよね?笑

 

そして、いつか戻ってこようと誓った街、アメリカ、ウイスコンシン州のMADISONに先日行ってきました。

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まだ18歳だった僕たちが出会った街、MADISONには昔と同じ風景が残っていたんだ。

目抜き通り(ステートストリート)からキャピタルに続く道や、ユニオンの湖沿いのカフェや僕たちの通っていた学校も、全部そのままだったよ。ただ、僕たちの住んでいた寮は閉鎖されていて、建物だけがひっそりと残っていて、その建物を眺めていたら26年前が蘇ってきた。

あなたと僕は、同じ時に同じ場所で同じ青春を過ごしたんだよね。

 

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覚えていますか? 朝、二人で一緒に学校へ行った日のことを?

本当は、真っ直ぐ学校(WESLI)へ行けたのに、あなたは遠回りして行こうって、言ったよね。

独りでMADISONの街を歩いていたら、あの時の思い出がまるで昨日のことのように蘇ってきて、あなたと歩いた同じ道を日が暮れるまでずっと何往復も歩いたんだ。

あの時の、あなたの笑顔と、僕を呼ぶ声と、肩越しに見えた朝の景色が、今のMADISONの風景と重なって18歳の時に突然戻ったような感覚になったんだ。気が付いたら涙が溢れだしてた。

 

あの瞬間が、僕の人生で一番幸せだったような気がする。そして、その日が僕の人生の出発点だったって気が付いたんだ。

あの日がなかったら、あなたと出会ってなかったら、きっと今の僕はなかったと思う。

 

僕たちは、当時高校を卒業したばかりの18歳で、あなたは都会の福岡から、僕は田舎の福井県からアメリカの片田舎にある美しい街MADISONへやってきて、そして出会ったんだよね。

僕にとって、MADISONへ来たのが、人生で初めての飛行機で、初めての海外で、そして初めての一人暮らしだったんだ。当時は、今と違ってインターネットもなく、僕の地元の福井には何の情報もなく、アメリカがどんなところなのかとても不安だったのを覚えてるよ。

こんな田舎者で世間知らずな僕とあなたは正反対で、明るくて気配りが出来て、特別なコミュニケーション能力を持っていたよね。いつも相手のことを考えて話していたし、さりげなく褒めてくれたし、一緒にいてとても心地が良かったんだ。

 

覚えてますか?あなたが蕎麦を作ってくれた日のことを?

当時のMADISONには日本食屋はなくて、あなたの作ってくれた蕎麦は何カ月ぶりの日本食だったんだ。僕はあまりの美味しさに必死に蕎麦を食べてたんだ。いまだにあれだけ美味しいと思った蕎麦はないよ。

そしたら、あなたは僕が蕎麦をすする音を一生懸命アメリカ人に説明してたよね、日本では音を立てて食べるのが正しい食べ方だって。

そして、完食後に皿を洗ってたら、僕に手伝ってくれてありがとう、って言ってくれたよね。

あなたの何気ない言葉は、僕をいつも幸せにしてくれていた。あなたはどんな時でも優しくて、田舎者の僕をフォローしたり受け入れてくれたよね。あなたの言葉が僕を少しずつ大人にしてくれてたんだ。

僕の人生はずっと中途半端で、アメリカでも帰国後も挫折ばかりだったけど、あなたの優しさや幾つもの言葉や思い出が、知らず知らずのうちに僕を支えてくれてたんだ。

 

そのことに気が付いたのがMADISONに戻ってきた26年後だった。遅すぎるよ。笑

当時の僕は、まだ子供であなたへの想いをうまく表現できなかった。あなたにもっと色んなことを上手に伝えられていたらと考えると、何だかとても切ない気分になるよ。

 

それに、あなたは気が付かなかったと思うけど、僕は、あなたと出会って、それからずっとあなたのような人間になろうとして努力してきたんだ。欠点だらけの僕が、あなたからコミュニケーションの基本を学んで、そして、それが今の僕の礎になっている。まだ当時のあなたには届かないけど、この26年で大分近づいた気がする。

あなたは、僕にとても大切なものを教えてくれたんだ。

 

それなのに僕は、あなたに何もしてあげられなかった。あなたが悩んでる時に何もしてあげられなかった。当時の僕はまだ子供で、あなたと同じように悩み、そして自分の悩みすら解決できないまま不安で不安で仕方なかったんだ。

 

MADISONであなたと別れてから1年後くらいにカリフォルニアで会ったのを覚えてますか?あなたは知人を訪ねてカリフォルニアに来て、そしてLAで少しだけ話したよね。

あなたはMADISONに1年留学して、その後福岡の英語教育に熱心な大学に入学して、でも入学前に聞いていた話と実際は違った、って悩んでたよね。

あなたの悩みに僕は何て答えていいのか分からなかった。本当にごめんね、何もしてあげられなくて、あなたの力になれなくて、本当にごめんなさい。

今なら、どんなことにも答えてあげられるのに。何もできなかった自分が本当にもどかしかったよ。

 

あれがあなたとの最後の会話で、もうそれから26年が経つね。1971年生まれの僕たちは、今年で45歳になるんだね。

あなたはどんな女性になっているのかな?あの時と同じ向上心で、たくさん悩んで、色んな壁にぶつかって、もっと魅力的な女性になっているのかな。

多分、今は結婚して子供を産んで、きっと子供が当時のあなたと同じ年齢に近づいてるんだろうね。そう考えると僕たちは連絡もとれないまま、長い長い年月が経っているんだね。当時は、今と違って携帯電話も、SNSやLINEもなく、別れる時には実家の住所と電話番号を交換するくらいしかできなかった。だから、交換したメモを無くした時点で何の連絡も取れなくなって、みんなが細い糸でつながっているような関係だったね。

あなたと出会うのが後10年遅かったらって、いつも思ってた。もし今の時代に出会ってたらきっと違う結果になっていたと思う。

僕たちは、結局連絡が取れないまま、ただ時間だけが過ぎて、そして、多分二度と会えないんだろうね。僕はあなたの名前しか覚えてなくて、実家の住所も連絡先も名字も思い出せないんだ。

 

あなたは福岡か、もしくは海外に住んでいるかもしれないね。この世界のどこに住んでいたとしても、幸せに生きていてほしい。あの時と同じ笑顔と同じ気持ちで、漠然とした未来に不安があったとしても前に進んでいてほしいよ。

 

僕はあなたと別れてから、全てが中途半端な挫折だらけの20代を経て、アメリカ人の女性と結婚して離婚して、そして30代でやっと社会に適応できるようになって、起業した会社も力不足で閉鎖して、その後立ち直って今があるんだ。

今は、自由な時間とお金があって、でも隣にあなたは居ない。

もし、何か一つ願いが叶うとしたら、あの日に戻りたい。他に何もいらないから、朝一緒にMADISONの道を歩いて学校へ通ったあの日に戻りたいよ。

そして、あなたと一緒に年を重ねて、あなたと一緒に居るだけでとても幸せな人生なような気がするんだ。そんなことをずっと考えていて、でも、あなたと再会する手段すらないんだ。

 

僕が人生で唯一やり残していること、それはあなたに会って、ありがとう、って伝えることなんだ。

26年前の僕の人生の出発点には、あなたと歩いた道があって、そこから僕は色んな経験をして、世界中の道を歩いて、最後にまたあの道に戻ったんだ。たった一人で。

あなたとの記憶は当時のまま、僕の心に残っていて、映画のシーンのように切り取られて、あの時の情景がはっきりと浮かび上がってきたんだ。あなたは、僕の中では永遠に18歳のままMADISONの青い空の下で僕に微笑みかけてくれるんだ。

あの日以来、18歳のあなたより魅力的な女性に僕は巡り会ったことがないし、これからも僕はあなたとの記憶と思い出を胸にずっと生きていくことになると思う。

近い将来、僕は再婚して、家族を作って、また新しい人生に挑戦すると思うけど、今まで18歳のあなたが僕に勇気を与えてくれていたように、これからもあなたのことを思い出す時があると思う。

だから、実際に会うことは出来ないだろうけど、このブログをあなたが読む可能性は限りなくゼロに近いけれど、ここであなたに感謝の気持ちを残しておきたいって考えたんだ。

 

 

本当に本当にありがとう!

18歳のあなたが今までの僕の人生の全てでした。

 

 

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