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ネットワークビジネスで成功した人は今何をしているのか?

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投資活動をしていると、様々なバックグラウンドを持った人と出会うことになる。資産家の家庭に生まれた人以外は、みんな何かで財を築いている。

最も多いのは一発屋芸人のように、時代のいたずらによって成功した人達だ。ただし、この手の人達の多くは、暫くすると居なくなっている。長続きしないのだ。

一発屋が長続きしない理由は、同じことを続けていたら偶発的に時代の流れに乗ってしまい、それを自分の実力と勘違いしてしまうからだ。自分のやっていることと時代がシンクロすると実力以上の結果が出てしまう。

計画的に利益を得ている人は、逆にそのような状況に身を置かないように調整しながら仕事をしている。

 

そんな典型的な一発屋(昔のネットワークビジネス、現在の情報商材システム金融まがいのビジネス)の中にも上手に生き残っている人も存在する。

今日は、その中の一人を紹介したい。

 

 ネットワーク時代

その人をNと呼ぼう。Nはアメリカでネットワークビジネスと出会った。Nが始めたネットワークは、運良く世界的な規模となり、日本にも進出することになる。そのタイミングと合せてNは日本に帰国することになる。所謂パラシュートと呼ばれる手法だ。

日本でNは、有名なネットワークの第一号グループの一人として活動を始めた。

 

Nは、そのスピーチの巧みさと明るい性格と容姿で、次第にネットワークのカリスマとなる。そして、巨大なグループを築き神格化されていった。

当時のNのグループの人達は、Nのことを心から尊敬しているようであったし、Nが引退した今でもネットワークに従事している人達の間では名前が売れている。

 

そんな時期に、私はNと出会った。

私のネットワーカーに対する第一印象は、大変な仕事だな、と言うものだった。情報商材などもそうだが、他人を巻き込んで金を稼ぐビジネスは、自分を大きく見せる必要がある。その為には、費用が掛かる。

ネットワーカーは、その収入に対し、支出が大きく、見た目以上に儲かってなかった。

私のような部外者ですらネットワークビジネスの限界を想像できたし、Nも同じようにいつかは終わるものだと悟っていたと思う。

 

 突然の復帰劇

私とNは徐々に連絡を取らなくなっていった。お互いにそんなに得るものが無かったからかも知れない。その間にネットワークビジネスの時代は終わり、Nは結婚したり、大病を患ったりと、期せずしてネットワーカーを引退することになる。

 

そんな私がNの近況を知ったのは、ある人気セミナーのスピーカーとして活躍しているNの写真を見かけたからだ。そのセミナーは全国で多くの観客を集め、Nは別の分野で神格化されているようだった。

Nは、自分の得意な能力を発揮できる分野を見つけて、そしてネットワーク時代に築いたノウハウを駆使して、新たな成功を掴んでいるかのようにみえた。

こういったケースは、非常に少ない。通常は、一旦落ちた名声は、過去の栄光と一緒に静かに消えていく。

 

自分の能力+スキルやノウハウ+それを発揮できる分野=高収入、の図式だ。これらが見事にマッチすると、ビルゲイツの言うグッドサイクルが回り出す。

Nは、結果的に、一発屋で終わらなかった。

 

N以外にも、ネットワークなどで一度築いた財を失わずに、うまく増やしている投資家もいる。そういう人達は、用心深いし、派手な生活もしていない。

たまに私のところに、高級車を何台も所有し、高級マンションに住み、毎日贅沢な暮らしをしている知人から融資を依頼されることがある。その数ヶ月後には、彼らの多くは消えていなくなっている。そして、二度と名前を聞くこともない。

 

私がNと再会することは、恐らくないだろう。何故ならNは経歴からネットワークビジネスを消し去っているからだ。過去を知る私は、きっと別の人生の別の時代の知り合いなんだろう。過去を忘れてしまうのも一つの生き方だし、私はそれでいいと思う。

多くの人が、日々祝杯を挙げ、暫くすると絶望と共に消えていく。まるでシャンパンの泡のような世の中が、私は好きだ。

そんな世界で果敢に生きていける人間になりたいと常々思っているし、そういう人間には惜しみない拍手をおくりたい。